心理学者のつぶやき

コルチャック先生

学生時代に読んだ本の記憶をもうひとつ。ヤヌシュ・コルチャック(ヘンリク・ゴールドシュミット)は,ポーランドで生まれたユダヤ人である。小児科医であり,作家であり,教育者であった。1911年ごろからワルシャワに2つの孤児院を作り,子どもの自治・...
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わかったつもりにならない

このたびの災害を経験し,何かを語ることに慎重になった。何が語られるのを聞いても,本物だという感じがしない。言葉が現実に追いついていない。そういうときは,ただ黙するのが正しいあり方のように思えてくる。******今回の出来事が日本に与えた深い...
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社内失業

記録的な就職難といわれるが,就職したからといって安泰とはかぎらないらしい。次の本を読んで,暗い気持ちになった。増田不三雄 (2010).社内失業-企業に捨てられた正社員双葉新書社内失業とは,正社員であっても職場でまともに仕事が与えられない人...
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単数用法のthey

英文校閲に出していた論文が戻ってきた。A group to which the person believes that they belong(自分が所属していると思う集団)主語(the person)は単数なのに,次に来る代名詞が th...
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みんなちがつて、みんないい

Gizmodoでこんな記事を読んだ。アスペルガーの人を専門に雇うハイテク系スタートアップアスペルガーや高機能自閉症の人は,集中力や細部の検出力が常人よりも優れている。だから,ソフトウェアをテストする仕事をやってもらおうという試みだ。人の弱み...
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心理学と企業

昨日紹介した本には,興味深い統計が載っている(p. 39)。菊地 俊郎 (2010). 院生・ポスドクのための研究人生サバイバルガイド 講談社ブルーバック米国における企業等研究者の専門別構成比(2003年度)において,心理学は何と 9% に...
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大学院生に望むこと

昨日に引き続き,ポスドクに関する本を紹介する。菊地 俊郎 (2010). 院生・ポスドクのための研究人生サバイバルガイド講談社ブルーバックこの本は,ポスドク問題を社会としてどう解決するかではなく,個人の問題としてどう対処するかに焦点を当てて...
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仕事としての研究

すっかり更新から遠ざかっていた。大学院生を指導することも,進学希望者の相談にのることもあるので,大学院のあり方については常々考えている。ポスドク問題といわれるが,博士号を取得しても常勤の職につける人は一握り,たとえ就職できたとしてもバラ色の...
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モチベーション3.0

何よりも命名が上手なことに感心した。よい名前をつけて,アナロジーがびしっと決まると,古いアイデアも新鮮に聞こえる。ダニエル・ピンク (2010).モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか講談社原題は「Drive!」。同じ...
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プレゼンテーションとスライド

学会でも大学でも,プレゼンテーションのためのソフトウェア(パワーポイントやキーノート)を使った発表を聞くことが多い。感動するくらいに美しく,そして楽しいプレゼンに出会うこともある。2007年のHCI国際会議における金出武雄先生(カーネギーメ...