みんなちがつて、みんないい

Gizmodoでこんな記事を読んだ。

アスペルガーの人を専門に雇うハイテク系スタートアップ
http://www.gizmodo.jp/2011/02/post_8591.html

アスペルガーや高機能自閉症の人は,集中力や細部の検出力が常人よりも優れている。だから,ソフトウェアをテストする仕事をやってもらおうという試みだ。

人の弱みではなく,強みに注目するのは,気持ちがいい。

日本でも似た会社を立ち上げている人がいるようだ。

株式会社Kaien(代表取締役 鈴木慶太氏)
http://www.kaien-lab.com/

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詩人・金子みすゞ(1903-1930)は「私と小鳥と鈴と」で

みんなちがつて、みんないい。

と書いた。

※ちなみに,英語では All different, all just right. と訳されている。
 「いい」を good ではなく right と訳しているのは,的を射ている。

金子みすゞ童謡集 Something Nice (D. P. Dutcher 訳)JULA出版局 1999年

よく知られた一節である。

以前は,センチメンタルで楽観的だが現実味のない言葉だと感じていた。

でも,よく考えると,とても奥が深い。

それぞれが他人にはない強みを持っている。弱点だらけの人でも,何も持っていないとは言いきれない。私に見えないだけかもしれない。また,本人にも分かってないかもしれない。でも,何かがあり,いつか誰かが気づくと信じたい。

それは良い悪い(good/bad)という次元で判断できるものではない。それでいい(right)ということだ。

変革の時代を人類が生き残るには,ちがっている人をちがったままに尊重する姿勢がますます大切になるだろう。

個人として好きな人/嫌いな人は当然ある。だから,みんなを同じように扱うことはできない。しかし,それとは別に,持続のための保険として,合理的判断のもとに,多様性を守っていかなければならない。

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