今日で広島大学を卒業する。18年間,本当にいろいろなことがあった。
研究室の片づけで,たくさんのものを捨てた。
自分が大学生のときに作った読書ノートが何冊も出てきた。今よりもずっときれいな字で,いろいろな分野の本の内容を几帳面にまとめている。
書いてある内容は,今ではきれいさっぱり忘れてしまった。だが,この勉強が今に生きている,正確にはこの勉強の余力で今を生きているような気がする。
「古いものを捨てなければ 新しいものは入らない」というが,古いものは捨ててもなくならない。
これまでに口にした食事そのものは,消化され排泄されて,体内に残っていない。しかし,食事のおかげで今の身体がある。
それと同じく,その時々で真剣に取り組んで消化したものは,目に見えない形で存続している。
本当に必要なものはそんなに多くない。
あれもこれも必要だと思うのは,消化しきれていないということだ。
そんなことを考えてみた。
長い間ありがとうございました。