書評

心理学者のつぶやき

これからの「かわいい」

『「かわいい」のちから』が出版されて,ちょうど1年が経った。出版されたときは,新型ウィルスがここまで猛威をふるい,人々の生活を一変させることになろうとは,夢にも思わなかった。「かわいい」には,「対象に接近したい」という気持ちが含まれる。しか...
心理学者のつぶやき

「かわいい」のちから

今週末に新しい本『「かわいい」のちから-実験で探るその心理-』(略称:かわちか)が出版される。昨日,見本が届いて,ようやく肩の荷が下りた。一般の人にも読んでもらいたいと思って書いた初めての本である。昨年2月に出版社の方にお会いして,今春の刊...
心理学者のつぶやき

『私の一冊』

雑事に追われ,更新する気力がないまま,1年以上過ぎてしまった。先日,人間科学部1年生の必修授業における副読本『私の一冊』の改訂を頼まれた。新入生に勧めたい本を紹介するものである。2年前に書いた原稿は,インパクトが強かったらしい。レポート課題...
心理学者のつぶやき

メールの返事は速くする

前の大学でも,今の大学でも,学生たちにしつこく言うことがある。「メールを受け取ったらすぐに返事をしなさい」私の経験則だが,できる人は,忙しいはずなのに,すぐに返事をくれることが多い。世界で名の通った一流研究者たちから学んだことだ。すぐに返事...
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コルチャック先生

学生時代に読んだ本の記憶をもうひとつ。ヤヌシュ・コルチャック(ヘンリク・ゴールドシュミット)は,ポーランドで生まれたユダヤ人である。小児科医であり,作家であり,教育者であった。1911年ごろからワルシャワに2つの孤児院を作り,子どもの自治・...
心理学者のつぶやき

モチベーション3.0

何よりも命名が上手なことに感心した。よい名前をつけて,アナロジーがびしっと決まると,古いアイデアも新鮮に聞こえる。ダニエル・ピンク (2010).モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか講談社原題は「Drive!」。同じ...
心理学者のつぶやき

「自分」株式会社

昨日に引き続き,プレスフィールドの「やりとげる力」からプロということについて。プロは仕事を愛しているから,すべての時間を仕事に捧げる。しかし,愛しすぎて身動きが取れなくならないように,報酬のために働くという冷徹な面も持つように心がける。・・...
心理学者のつぶやき

ヤマを張る

学生のころ,試験でヤマを張って当たったことがない。(山を張る/掛けるとは,「鉱脈を掘り当てる」からの転用で,幸運をねらって物事をするの意。)もともと,ヤマを張るより,まんべんなく勉強する性格なのだが,試験に出そうな箇所を友人と言い合ってもほ...
心理学者のつぶやき

ナショナル・ストーリー・プロジェクト

アメリカの作家ポール・オースターの小説が好きで,柴田元幸さんによる訳が出るたびに読んでいる。この本は,原著が2001年刊,訳本が2005年刊だが,ようやく読むことができた。オースターがラジオ番組の企画で,作り話のように聞こえる本当の話を投稿...