ビジネス書も,従来の自己啓発ブームに陰りが出て,脱力系が増えている。
佐藤 留美 (2012). なぜ、勉強しても出世できないのか? いま求められる「脱スキル」の仕事術 ソフトバンク新書
成毛 眞 (2013). 40歳を過ぎたら、三日坊主でいい。 新・ミドルエイジ論 PHP研究所
資格をとっても安泰ではないし,会社は将来の面倒をみてくれない。
認めたくはないが,現在の社会はそのような方向に進んでいる。
大学も変わりがない。構成員が活躍すれば,それに便乗して,ますます働かせる。
昨年は「かわいい」の研究で大学の宣伝に貢献した。国内・国外のメディアで大学名がよく報道された。しかし,残念ながら何の報酬もねぎらいの言葉もない。
職務発明の特許を個人から企業に移すことを政府が検討しているという新聞記事を数日前に読み,同じようなことがいろいろなレベルで進行しているのを感じた。
大きな組織とはそんなものなのだろう。多くを期待しないのが無難だ。
構成員を大切にしない組織からは人材が流出するはずだ。この業界はまだ流動性が低いので,いまのところ見かけ上は秩序が保たれているが,ひずみは溜まってきている。
これまでは大学が知的労働者の拠点であった。これからは少し違った新しい働き方が生まれてくるのではないかと期待している。